イジワル王太子と政略結婚!?
「もうこんな目に合わせないから。お前は俺が守る」


リリィの涙を拭って、額にキスをする。


「大事な…俺の女だから」

『シーナ…』


そして、優しく唇を重ねた──



初めて気持ちが通じ合った気がした。


ずいぶん長い道のりだったけど、きっとこれでいいんだ。


これから二人で歩く人生の方がずっと長いもんな。



『…夢の中でね…お母様に会ったの…』


唇を離すと、リリィは目を閉じたまま穏やかに微笑んで言った。


「そうか…」

『困難な時には…光となって助けてくれるって…言ってた…』

「……光?」

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