イジワル王太子と政略結婚!?
それはやっぱり、あの翡翠のことなんだろうか──


『いつも…傍にいるから…って……』


「…リリィ?」


言葉が途切れ途切れになって、すぐに寝息が聞こえてくる。


俺は毛布を掛け直して、彼女の傍らに座った。



「ゆっくり休めよ…」


だいぶ顔色も良くなったな。

本当によかった…。




これ以上、リリィを危険な目に合わせるわけにはいかない。

やっぱりあの場所には俺一人で行こう──


翡翠のネックレスを握り締めて決心する。


リリィが言ったことが本当なら、こいつが力になってくれるはずだ。



絶対、二人で戻ってみせる。




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