イジワル王太子と政略結婚!?
『リリィ!?』


遠くからシーナの声が聞こえて、足音が近づいてくる。



『おい、大丈夫か!?』

「はぁっ…平気…」


…とは言いながらも、胸が苦しくて立ち上がる力も出ない。


『何で来たんだよ!?しかもそんな体で…』


肩で息をしながら呼吸を整える私をぎゅっと抱きしめる。



「リリィに…全部聞いたわ…」

『だからって…病み上がりのくせに無茶すんなよ、バカ…!』

「バカはどっちよ!?」


苦しさと間に合ってほっとした気持ちから、涙目になってシーナを睨む。

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