イジワル王太子と政略結婚!?
『その言い伝えは、自分が大切にしてきた物を渡す代わりに、これからはその人を大切にするって意味があるらしいぜ』


そう言いながら、シーナは箱から何かを出している。



『だから…リリィにはこれをやろうと思って』

「…わぁ…可愛い!」


シーナが取り出したのは、リボンがついた淡いピンク色のハイヒール。


でも……



「この靴を大切にしてたの?シーナって実は…」

『ばーか。俺はそういう趣味はねーよ。
大切にしてたのはこれだ』


シーナは眉間にしわを寄せて私を見てから、ヒールについたリボンを指差した。

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