イジワル王太子と政略結婚!?
『アタシはこの花のために毎日歌ってあげてるのよ。すごくキレイだからさ、何かしてあげたくなるのよね。
あっちの木だってさぁ……』


妖精は一人で喋り続けていて、私たちが入っていく隙もない。



『…なんかやたらおしゃべりじゃないか?』

『う、うん…』


そんな様子に少し戸惑いつつ、シーナはボソッと呟いた。



『あっ!あの鳥、この前アタシのこと虫だって言ったのよ!?
あんな気持ち悪いヤツらと一緒にしないでよね!!』


『…どこがデリケートだって?』

『…アハハ…』


さっきの聞こえてたのね…。

私は苦笑いでごまかすしかなかった。


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