イジワル王太子と政略結婚!?
──コンコン。


『もうドレスは着たか?』


扉の向こうから甘く低い声が聞こえてくる。



『あらっ、噂をすればシーナ様だわ。
えぇ、もう着られましたよ!』


ミラは私のドレスを隅々までチェックしながら、扉に向かって言う。



『俺も見ちゃダメ?』

『ダメですよ!見たい気持ちはわかりますけど、式当日までは見ないのが習わしですから!』


『ふっ、お堅いなぁミラは。まぁそこが君の魅力なんだけどね』

『もうやだわ、シーナ様ったら!うふふっ』



嬉しそうに笑うミラ。


二人の会話を聞いてると、なんだか無性にイライラしてくる…。


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