のらねこ様、カレシ仕様

やにわに何かを思い出したらしいクロちゃん。



眉間に皺を寄せたかと思ったら、すったかたったとその場から歩き去った。




・・・逃げた。






「んも~黒川さんったらツレナイィ~」と身を捩っていたその子は、クロちゃんが見えなくなると同時に、クルッと私達を振り返った。


というか私を睨みつけた。


カワイイ顔台無しだよ?







「アンタ黒川さんのナニ?」






私はクロちゃんのナニ・・・・?

ナニって飼い主?




「言っとくけど黒川の彼女は私なんだから。こないだだって私がフリョウに捕まったって聞いて駆けつけてくれたんだから!だから勝手に近づかないでよね。」






「とにかく彼は私のモノなんだから」と居丈高に言い放って彼女は勇ましく立ち去った。
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