ヴァンパイアノ想イビト
―――…
「ん……」
「……こ…」
…誰……?
「……こ…」
お兄様?
「…りこ…」
違う…お兄様の声じゃない…
「真梨子…」
誰…?あなたは…ダァレ?
―ハッ…
「ここは…」
辺りを見回すと、お兄様の姿は見あたらなかった。
そして、私がいる場所はいつも寝ているお兄様の寝室ではなかった。
その時…
―ガチャッ
ドアノブが傾いた。
誰…?
―コッコッコッコッ…
床に響く足音…
私は咄嗟に寝たふりをした。