あの花畑の天使
「りんご…何かあったのか?あの鼻髭先生にいじめられたのか?」

りんごは、赤くなった目を小さな手で擦りながら僕に話したんだ…。

「ううん‥、違うの…何かわからないけどね…涙が出てきたの…、不思議でしょ…おにいちゃん…涙って塩っからいのよ、知ってた?」

りんごに言われて、僕はりんごの頬をつたう涙を指で舐めてみたんだ…。

「あ!本当だ!」

りんごは笑顔でうなずいている。僕はりんごの頭を撫でて、りんごに言ったんだ。

「おにいちゃんが、ずっと側に居るからな」

りんごはまた涙を流しながら…。

「ありがとう…お兄ちゃん…」
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