君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「えっ! 本当に?」
栞が、念を押すように聞く。

「だが、ひとつだけ約束してくれないか。 もう二度と今日みたいに黙って東京には行かないことを? 」
正和が条件を出す。

「うん、わかった!」
栞が明るく答えた。

「それじゃ、お母さんのところに戻ろう」
正和が先に歩き出す。

栞が正和の後をついてゆく。
再び『TSUNAMI』口ずさむ。

「見つめあうと素直にお喋り出来ない・・・・・・」
今度は嬉しさがあふれているような、どこか元気のある歌い方をする。

波音が静かに響いていた。



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