歳の差レンアイ、似た者同士。
「なぁ~、道重きいてるか?」

「聞いてる聞いてるー…」

約束通り、病院の職員食堂で道重のオゴリであるかつ丼定食をほおばる。

道重は“秘密のカンペ”と言っているメモ帳兼勉強ノートを片手に、自分の患者の治療方針を考え中だ。

ホント…真面目なやつ…。

「聞いてねぇだろ!?」

“秘密のカンペ”を道重から取り上げると、不満そうな顔。

それでも、怒りださないところが道重だ。

味噌汁をすすりながら、観念したようにオレの話を聞く。

「で、なんだっけ?」

「昨日たこつぼ心筋症の患者が来てさぁ…」

「おお!たこつぼ!いいじゃん、オレも診たい!いつも循環器内科に患者をとられてるから、あんまり診たことないんだよねー」

ちょっと興奮気味な道重。

いや、そういうことじゃなくって…

「それが、女子高生なんだよ」

「ふーん?」

「イマドキの子って、あんな感じなの?」

「ピチピチしてるよね。お肌ツヤツヤだしね。若いなぁ~って思う」

そういう会話をしてる時点で、オレもオヤジに近づいたってことか!?
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