歳の差レンアイ、似た者同士。
病院の屋上で電話していると、同期の道重も隣にやってきてファンタで一服しはじめる。

きっと一例目のオペが終わったところ。

着々と外科医の道を進んでる同期と、未だにぐずぐずしてる俺は対照的だな。

電話を終えると道重が言う。


「実家、大丈夫なのか?」

「大丈夫そうに聞こえたか?」

「大丈夫じゃなさそうだ」


道重はグイっと最後のファンタを飲み干して、缶をベンチに置いた。


「伊崎はさぁ、なんで心臓外科を選んだの?」

「なんとなく」

「その“なんとなく”は結構重要だと思うよ」


そんな道重は、大学時代から“心臓外科医”を目指してた。

ある意味羨ましかった。

何の縛りもなく、自分の好きなことができるってことが。


「伊崎が心外を選んだのは、きっと…」

「言っとくけど、家を継ぐとか継がないとか関係ないから」

 
俺がそう言うと、道重は笑った。


「ホラ、自分で選んだくせに」
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