2つの顔
「千賀子」これは出て行った女房の名前だ・・似てるんだどことなく。

雰囲気というかしぐさとか背格好、髪型までがそっくりだった。

次の雨の日またあの坂の下へ行った。

この間と同じように来ていた。

「こんにちは」「こんにちは」女はいきなり抱きついてきた。

「会いたかった」「僕もだよ」

今日は、私の秘密を教えるから洋館に来て姉に合わせるわ。

そういうと女はすたすたと坂の上のほうの洋館に向かった。

小1時間くらい歩いたろうか西洋風の建物が見えてきた。

「すごい大きなうちだね」「まあ」「あ、入って」

ドアを引くとそこには大理石のテーブルが置かれていて内装も立派だった。

姉を紹介するわ。

しばらくして文子は双子の姉を連れてきた・・・

「えっ」僕は息を呑んだ。

「そう秘密って・・・・整形なの私」

この顔ね、病院の先生が作ってもらったものなの。

隣に立っていた姉の顔を見て愕然とした、目は釣り目で細く鼻も広がってぺしゃんこ、口びるも分厚くてとてもじゃないけど見れた顔じゃない。

「昔の私の顔はこうだったの、この顔のせいで自殺未遂までしたわ」「あなたは去っていかない?」


(確かに不細工だが僕は文子の内面に惹かれてた)「変わらないよき持ちは」

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