Nostalgicな祭りのあとで
遭遇
「いきなり何よ、どこ連れてく気?」

「見てほしいんだ、あいつらが抱えてること。俺たちがしなきゃなんないこと。頭のいいお前に、協力してほしいんだ。」

「ちょっと、あたしスカートなんだけどっ!」

チラ、と水色のワンピから覗く膝を見る。
「大丈夫、気にしねぇ。」

バシッと後頭部をぶん殴る。
「あたしが気にするのよっ!」

文句言いながらも登り続け、半分近く来たとこで七菜が大人しくなった。

真後ろを歩く七菜の靴の端が、陸のかかとにコツコツあたる。
陸は歩調を合わせてやった。

七菜の気持ちがよく分かった。
ついこないだの自分がそうだったから。

「ん。」
陸は、後ろ手に右手を差し出した。
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