Nostalgicな祭りのあとで
カウントダウン
ザワ、と夜風が鳴った。

やまじいは桜に寄り掛かり、月を見ていた。

ガササと草がざわめき、孫の大樹が顔を出す。

やまじいは水筒の酒をくいと空け、孫の頭を撫でる。

「どうした、そんな顔して。」

大樹は俯き、意を決したように話し始めた。
陸と七菜が山で遭遇した奴らのこと、教頭のこと、知ってること全部。

やまじいは黙って聞いていた。
拍子抜けするほど、落ちついていた。
大樹はせがむように叫んだ。

「じいちゃん、怒らないのか?」

やまじいは酒を飲み干すと盃を眺めた。

「じい!」
「もう危ないことはするな。分かったな、あいつらにも言っとけ。」

大樹は物いいたげに唇を結び、踵を返した。
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