Nostalgicな祭りのあとで
研究はボランティアだ。
生活するためにも仕事は必要だった。
だからこそ、真山の親切は有難かった。

けれど、まさかこんな結果になるとは思ってもなかった。
このすべての原因に真山が・・・自分を救ってくれた友人が絡んでいたなんて。

疑いを晴らそうと調べるほど、疑惑が浮き彫りになってくる。
それでも、守は信じていたかった。

誰よりも優しく、賢く、この町を愛していた友人を、信じていたかった。

「ばかだな、お前は。また思いつめた顔して。」
「・・・別に。」

珈琲を置きながら、初美も複雑な顔をした。
「日高君、あたし達も信じたいよ?だけど現に・・。」

バサリと例の図面が誰かの手の中で鳴った。

「処分場を立てる。それ自体は悪くないさ。だけど、こんな穴だらけの手抜き工事!こんなもの、何の役に立つって・・。」
< 68 / 109 >

この作品をシェア

pagetop