「ここじゃあれなので…こちらに」

一軒の今にも崩れそうな店のドアをリアルがノックした。

「おぉ…随分早かったなうさっころ」

ごっついおっさんみたいな声だったが実際細身の人だった。

「彼らのおばさん朝が早いですから」

「こんなひょろっこい連中が行くのか?」

「頭は空ですが芯のあるアイリスさん」

本当にウサギ鍋にしようかな…。

「坂本竜馬みたいって言えば簡単に動くログイット」

図星のようだが何か誇らしげだ。

「その妹サニー。」

なんかサニーに関して少なすぎる。

ガハハと大声でおっさんは笑いだした。

「お前らのサビルの森に入る前に死ぬわ」

「訓練もお願いできますか」

リアルは申し訳なさそうに呟く。

「空(カラ)」

沈黙が数秒続くと「アンタ」だと言われた。

「「蟲」について何も知らずに飛び出したバカだろ」
「なっ…」

「親が誘拐された。助けに行く。確かに空っぽだな」

再びガハハと大声で笑いだした。

「その包丁は」

「父のものです」

「そいつぁ…「蟲」に通用しない」

「ログ君の刀もね」

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