「薬が弱かったらしい…こんなにべらべらしゃべれんもんだぞ」

さっきの小瓶を取り出す。

腰の包丁の柄を握る。

「ログ、いつまで寝てるの。初「蟲」退治」

ニッと笑うとログは頷いた。

「アンタらの好きにはさせないんだから」

キーンと金属のぶつかる音。

パラパラと崩れた鉄格子。

「アリ…スさ」

「先はどちらさんぜよ?」

「リアル君、逃げ…」

リアルは動こうとしない。

「「エデル」に貴方は必要な方です。
私はいいから…逃げて下さい」

「リアル君…功績は伝えておくよ」

「はい…」

いそいそとオッサンは姿を消した。

「はぁ…サニーさん本当に打たないで下さいよ」

しっぽの当たりが焦げていた。

「え…?」

私達はお互い顔を見合わせる。

「演技ですよ、「エデル」の情報集めです。」

先日、オッサンの元へ抜け出したリアル。

オッサンが「エデル」の者と分かり利用したらしい。

「何でよりによって「エデル」の銃器店なの!」

「たまたまですよ。おかげで色々情報を入手しました」

「一歩間違えれば死んでたのにね」

スッと銃口を向けるサニーは涙目だ。
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