。
「おまん…どうしてここに?」
「気づいたら…いた」
お母さん…お父さんって叫んでいたら
突然気を失い孤児院にいた。
馬車から降りた時には、私しか乗っていなかった。
「例のあれか…両親の誘拐」
「何奴」
包丁を抜き取る。
「血の気が多すぎぜよ。おまんもか…誘拐」
「………ログも?」
「龍馬って言ってくれんかのぉ」
スルーしておこう。
「じゃあ…サニーもなんだ」
「わしんとこもじゃ、ここの孤児院は大体そんな連中だらけ…流行ぜよ」
「また流行に乗れたんだわ。フリーと両親誘拐」
「アリスはフリーなんか」
コクンとうなずいた。
「かわいいのにもったいないぜよ…アリスの部屋」
さらっと「かわいい」と言って、
さらっと「汚い」部屋を案内する。
「きったな」
絶対しばらく使ってない。
「わしとサニーと同室でいいなら大部屋が使えるき」
「大部屋?」
「こっち…」
「広っ、そしてキレイ」
なんでこんなに部屋の差がある。