ドラマチックスイートハート

数日後――









あるホールにて、大勢の男性が所狭しと椅子に座っていた。











これから何が行われるか分かっていないが、ドラマに出られると聞いて集まった、無名の新人達である。











その中に、まだドラマのいろはも知らない男の姿があった。











男の名は石垣康広(いしがきやすひろ)……

顔立ちはシュッとして男前であるが、外見の良さではここにいる他の男性達となんら大差はない。











特にオーラもなく、皆が皆ドングリの背比べのようなものであり、特質した者は石垣を含めいない。












パンパン!!









プロデューサーの手の叩く音によって、ざわめきは止まった。











「いいですか皆さん! 今から審査します!

羽場監督に失礼のない様にしてください」










そんな事言わずとも、みんな必死で自己アピールをするくらい、監督にはおべっかを使うだろう。









それこそ、失礼な事を言うハズのない場だが、模範的な開始を告げてのスタートとなった
< 4 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop