変な転校生
変な転校生

 
 
 今日は実に変わったことの多い日だ。
 登校中に狂い咲きの桜を見た。教室に入ると、いつもはぎすぎすとした雰囲気なのに今日はみんなそわそわ落ち着かない様子。
 どうも転校生が来るらしい。いつもと変わらないのは私への冷たい視線。
 私を追い詰めるような視線をヒシヒシと感じながら自分の席に着く。
 じっと下を向き、早く学校が終わればいいと願う。
 ふと、一人の男子が近づいてきてガンッと私の机を蹴った。そしてブスと呟いて何処かへ行った。
 その光景をみたクラスメイトたちは馬鹿にしたようにくすくす笑う。何事もなかったかのように澄ました顔をしてたが、内心その場から逃げ出したいという気持ちで一杯だ。
 そんな私の反応が気にくわないのかゴミを投げつけられたり、聞こえるような声で悪口を言われた。
 そんな時、一人の救世主が現れた。優介だ。
 彼はクラスの人気者であり私の幼馴染。
「渚は俺の友だちなんだから虐めんな。OK?」
 笑いながら言う優介にクラスのみんなは何も言わない。



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