変な転校生



 やっと最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、私は逃げるように教室を出た。帰り道、はあとため息をついた。
「どうして我慢する?」
 不意に話しかけられ、目を見開き声のするほうを見てみると、そこには”変な転校生”がいた。
 突然の質問に首を傾げていると同じ質問をしてきた。
「我慢なんか私してないよ」
「悲しいなら泣けばいい。ムカついたら怒ればいい。簡単なことだろう」
 無表情で淡々としゃべる”変な転校生”
「別に悲しくないし、怒ってもないよ」
 私の答えにそう、とだけ呟いた。そしてパチンと両手で叩いた。
「は?ちょっと……あなた一体なにしたのよ……」
 私は今さっきまで帰り道にいたはずなのに、今は学校の屋上にいる。
「まあ、黙ってみていろ」
 少しすると、優介とその友だちが入ってきた。
 私に気付くかと思ったがどうやら姿は見えていないようだ。
 説明を求めようと思い視線を向けるけれど、何も言わないということは教える気はないようだと諦めた。



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