ななちゃん
私は猫である
私は猫である。

今日も、ゴロゴロとしている。
猫であるというのに
何故か、家からは出れない。
これは、猫への冒涜であると思う。

にゃあー。


お腹が空いた。


今日のお昼ご飯は、猫カンである。
ガツガツと食べたら、咽につまり、
少し、戻してしまった。


にゃあー。
退屈である。


この家のご主人は、最近泣いてばかりである。

「ななちゃん…どうしてっ」
ななちゃん。というのは、この家の娘らしい。

ななの母親は、毎日泣いている。
時々私を抱きしめる。

くすぐったいよ。
にゃあー。


今日は病院に連れていかれた。
動物のお医者さん。

私はにゃあー、となく。
お医者さんは少し困った顔をする。
多分、さっき食事を吐いたからだと思う。

お医者さんが、人間の言葉で私に話しかける。
難しいのは分からない。


私はまた、にゃあー。と
なく。


病院の帰りに、ななちゃんの母親は、スーパーによっていた。

焼き魚のいい匂いがする。
お腹がグゥとなった。
居なくならないようにだと思うけど、
私は後ろのシートに固定されていた。
ギチキチで苦しにゃあ。


家に帰ってきた。
やはり我が家が一番!

ななちゃんのお父さんも家に帰ってきていた。


お父さんは、
「俺のせいで……は、俺のせいで…」
と呟きながら、お酒を飲んでいた。

お母さんは泣いていた
「ごめんなさい。ごめんなさい。なな」


ななちゃんは、
死んじゃったのだろうか。

難しいことは、私には分からなかった。

にゃあー。
私にはどうすることも出来なかった。
私は、
焼き魚のことで頭がいっぱいであった。

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