ななちゃん
ななが戻ってくればどんなに、嬉しいだろうか。

でも、あの医師なら、
私は一縷の望みを胸に抱きながら、帰路につくことにした。


一ヶ月前、私達夫婦が家を留守にしていた時、事件は起こった。
入ってきた強盗に、無理矢理ななは…。
辛い事件を思い出してしまい、私は目に涙が溢れてきた。


家に帰ると、ななの友達が来ていた。ななと同じ小学生の子。

「あ。ななちゃんのお母さん!わ、私ななちゃんに、挨拶したいなって…」
しどろもどろに話す、ななの友達、ななは本当に良い友達をもったのね。
少し、顔が綻んでしまう。でも、ななには会えないのだ。
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