月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~
『諦め切れて無いじゃんっ!』
美香は突き飛ばされてまだ床に座り込んだままなのに、さっきまで私の声しかしなかった部屋には、美香の怒鳴り声が響いていた・・・。
『それに、春は今も辛そう・・・』
『このままだと、どうにもならない・・・』
『晃さんに会いに行こうよ・・・』
「ゔぅ・・」
涙をこらえながら私は美香に頷き続けた・・・。
泣くことで精一杯だったあの時の私は気がつかなかったけど、美香はずっと私よりも私の事を分かってくれてきた。
美香がいてくれて良かった。
今、何よりもそう思う・・・。