月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~

 七海さんと話をしてると美香ちゃんに肩を叩かれた。

『誰?』

 私は美香ちゃんにそう言われて、二人で来てた事を思い出した・・・。


 美香ちゃんは私が片思いしてる事も、晃さんに彼女がいるかも知れない事も知ってる。

 でもその彼女かもしれない人が七海さんなのは知らない・・・。


 アクセサリーの店で晃さんと一緒にいたところは見ただろうけど、顔までは見てないはず。

 見てても忘れてる・・・。


 その事を知られたくない私は美香ちゃんが七海さんを知らない事を再確認して、七海さんを紹介しようとした・・・。


 けど私は七海さんの名前が“ななみ”だという事以外知らなかった・・・。

 私が困ってると七海さんは自己紹介を始めた。


『そういえば春ちゃんには名前しか教えてないよね』

『私は“佐々木 七海(ささき ななみ)”』

『年は秘密で、この近くの会社で働いてるの!!』

『だからこの喫茶店にはよく来て・・・


 “ささき ななみ”?


 ・・・・・・?


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