月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~

『こっちに引っ越してから美香の友達に会ったことがなくて、心配してたんだよ』


「・・・?」

 確かにこんなに近くに住んでて違う中学校に行ってたのは不思議だとは思ってたけど、他にも結構近くに住んでるのに違う中学に通ってた人もいたから納得してた。

 だから急にそんなこと言われて、私は急いで聞き返した。

「引っ越してきたんですか?」


 だけど驚いてる私の間抜けな表情とは違って、美香ちゃんのお父さんの表情は暗かった。

『・・・あぁ、事情があって』

 美香ちゃんのお父さんは複雑そうな顔をしていた・・・。

「・・・?」


『本当に美香には迷惑かけてて、すまないと思ってる・・・』

『だけど、ここで美香に新しい友達が出来てよかったよ』


 ここでも美香ちゃんのお父さんは笑ってた。

 けど、さっきみたいな笑顔じゃなかった・・・。

「・・・何かあったんですか?」


『・・・』


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