先生と生徒


「……からかうなっ」


「痛っ、ま、隣おいでよっ」


布団をまくり、和也の来るスペースを作る。


「…誘ってんの?」


「…一緒に寝よ?」


「っ//…寝るだけ?」


「…和也のエロっ」


「男の本能だっ」


そう言いながら、ベッドに入ってくる。



「…あったかい…」


和也にギューッと抱きつく。


「…マキ、観覧車で先生と何話してたの?」


優しく髪を撫でながら、優しく問いかける。


「…先生の奥さんの話とか、学校の話♪」


「そっか…良かった…」

"何も心配する必要ないじゃん"


そう呟いて、優しく抱きしめ返してくれた。


でも、先生の話をした瞬間の和也の顔が、寂しそうだったなんてことは、和也の優しさと温かさで分からなかった。

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