先生と生徒
「あ、お前ら最上階には行ってなかったのか?」
「「「「最上階?」」」」
声を揃えて先生に問う。
「…ここのホテルの目玉の1つが最上階なの。ってか知っとけよ!」
「そんなパンフなんて律儀に見ませんって!」
華が冗談混じりに言うと微かに肩をすぼめる先生。
「お父さん、いっぱい見てたよ!」
と無垢な笑顔を向ける翔くんに何も言えず、華も黙り込んでしまった。
「…まぁその話はいい。
最上階はな、展望台があって、サザーライアンを見渡すことはもちろん、町を見渡すことが出来るんだ」
"夜景は最高だったぞ?"
と、嬉しそうな先生を他所に"チーン"とエレベーターが鳴る。