お洒落からはじまる(仮)

「そこの君―――――!!!!」
営業中ならではのスイッチON。

「君ー!」
ん?気づいてねぇー?
つか、無視か?

「ちょ、無視って酷くない?」
振り返った・・・
うわー髪綺麗なくせして顔中の下じゃね?
下の中でもいいくらい。
眼鏡かけて、ぽっちゃりで、パッと見地味だな。


「もしもーし。聞こえてる?」
もう一度声をかけてみた。

「あ、ごめんなさい。」
お、声意外に可愛い…

「君。めっちゃ髪綺麗!
俺、すぐそこの美容院で働いてるんだけど、カットモデルになってくれない?」
俺は、お得意の営業スマイルで誘った。

「いやです。切る気はありませんから。失礼します。」
おーっと。断るだと?

「あー待って待って!!じゃあ、寄るだけでもいいから!」
引いてやんねーよ―
ココまで綺麗な髪は珍しいからな。

「急いでるんで…」
帰すかぁぁぁ!!
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