BEST―FRIEND
俊樹は空を指差した。



「ほんとだ…星…すごく綺麗…」


「これだけ寒いと東京の星も綺麗だな。」
 


星空を見ている彼の顔は昔と変わらない優しい笑顔だった…


「わがままばっかり言って困らせて
ほんとゴメンね…」

「もういいよ…わかってるから。泣くな」
 
 
そういうと唇を軽くふさいだ…

「お前さー。
涙で口までしょっぱい」

「…ゴメン」

そのままもう一度、唇を重ねた二度目の
キスは時に激しく周りの冷たい空気を暖かくした。

「淋しい思いさせてゴメンな…
でも、これ以上の関係を求めても
お互いが辛くなるだけなんだ。
だから、これからは俺たち特別な友達でいよう…」
 
真っ直ぐ見つめる彼に少し目をそらし

「うん…。」と返事した。


「なんだよ。その不満そうな顔は!
お前は特別なんだから、友達以上だろ」


「…だって、俊樹は優の彼氏じゃないんでしょ?…」


「あのね・・結婚してるから俺とはもともと常識で言ったら付き合えないでしょ・・
何が不満なのかわかんないよ。
ほんとにわがままだな…」


と投げ捨てるように言うと優がしていたマフラーを脱がせ

「じゃぁ、これ俺からのプレゼント」
といって手に持っていた自分のマフラーを首にギュッと巻き付けた…


「なんで??…くるしい……殺す気ぃぃ???」

「優のそばに、居たくても無理だから、
これを俺だと思って大切にしろよ…
その代わり、お前のマフラーは俺が預かるから。」

といって自分の首に巻き付けた。






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