BEST―FRIEND
「これ…お前からもらったマフラー。
もう使わないから…」
 


マフラーを手渡され、一瞬なんの事なのか理解できなかった。



このマフラーはちょうど去年の冬に手編みで自分と色違いのものを俊樹に送ったものだった。


渡した時、すごく喜んでくれて

「彼女が出来ても、大切にするから。
ありがとう」って言う彼に

「マフラー似合ってるよ。編むの大変だったんだから捨てないでね」って答えた。


それなのに…ひどいよ。

返すなんて…!!


「この為にわざわざ呼び出されたわけ??
………マジで意味わかんない!!!
いらないなら自分で捨てればいいでしょ!」

玄関にマフラーを強く投げ捨て泣きながら公園に走った。

「まてよ…」

俊樹は、すぐに後を追いかけて、腕を掴むと身体を強く抱きしめた。
 


長い間、私の泣き声だけが公園に響いていた。


「優…ゴメン。
悪かったよ・・
だからもう泣くなって。
俺だって、どうしていいかわからなくて
辛かったんだ…」

 
その一言で今まで自分の行動がどれだけ彼を苦しませたのかを感じる事が出来た。

 
なぜ、マフラーを捨てずに返そうとしたのかも……
 

〔俊樹もすごく悩んだんだ…〕

 

自分がしてきた曖昧な関係を俊樹に求めていたことに対しての後悔が胸をうった。



 「ゴメンね………」   


「優……空見てみなよ…星が綺麗だよ…」

 









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