ありがとう、さようなら
現在
【桜花side】
あれからまた、一年半が過ぎた。
今日、私は高校の寮に引っ越さなくてはならない。

私は、荷造りをしている時に見つけたクッキーの箱をカバンに入れた。
真由の思いを、忘れないために。
そして、真由がおくることのできなかった高校生活に真由を連れて行くために。

「…いってきます」
広い部屋を出て、私は家を出た。
玄関を出た私は、門のところに立っている女性を見つけた。

真由の母親だった。
< 27 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop