ありがとう、さようなら
寮で割り当てられた一人部屋についた私は、手紙を読んだ。
涙が止まらなかった。

日が落ち始めた頃、ようやく私は泣き止んだ。
そして、便箋を封筒に戻そうとして気づいた。
便箋の裏側の端に文字が書かれていることに。

You were a person who can believe uniquely for me.
Thank you for staying as my friend.
《あなたは私にとって唯一信じれる人でした。
私の友達でいてくれてありがとう。》

英語で書かれた文は少し震え、真由がどれだけの思いで死んでいったのかがわかった。
また泣きそうになるのをこらえ、私は手紙をしまった。
家から一緒に持ってきたクッキーの箱の中に。

きっとこれから、私は何度もくじけそうになる。
その時は、真由の手紙が元気をくれるだろう。
だからきっと、大丈夫だよね。

真由の思いを大切に守っていこう。
そう心に決め、私は部屋を出た。
< 30 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop