王様の、言うとおり



ずんずん人を上手にすり抜けてすっ、とキングがすっとしゃがみこんだのは……。


『金魚すくい?』




「いらっしゃい。」

折り畳み椅子に座っているおばさんがキングに笑顔を向けます。



キングは軽く頭を下げて、私の方に振り返りました。



「これでいいじゃん。」


『でも……。』




チラッとかかっている札を見ます。

そして、キングの隣に同じようにしゃがみこみました。



『取れなくても、2匹貰えるんですよ……?』




取れなくても2匹差し上げます、とかかれた札。

「だからいいじゃん。取れなくても結局2匹買ったと思えば損じゃないし。」

『貰った金魚はどうするんですか……!』

「飼えば?」




『私が!?』




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