王様の、言うとおり
痛い、腕。
大人しくしながら、思い出すあの時の記憶。
昔、ちっちゃい時も、こうしてキングとお祭りに来た事があって。
迷子になった私をキングが見つけてくれて。
だけど確か、迷子になったのをキングのせいだって言って怒って。
そしたら……
「なんでも買ってあげるからおこるなよ。」
『じゃあ、きんぎょ……。』
「それは。じぶんでせきにん持てるようになって飼わないとだめ。」
『………。』
「そのうち買ってあげるから。」
『じゃあ、りんごあめでがまんする……。』
「ん。いい子。」
で、せっかく買ってもらったりんごアメ、飴だけ舐めて飽きて残したんだっけ。