王様の、言うとおり
俺もその隣に座って、漫画を取り出した。
借りてたんだよなー。
早く読んじゃおう。
「………。」
「………。」
図書室らしい静寂。
俺の漫画を捲る音と、煌のシャーペンの音しかしない。
1巻読み終わって時計を見れば、もう30分経っていた。
「煌。」
「何。」
「菜月ちゃん……まだ探してんのかなぁ。」
あの子、決めた事は最後までやり通す頑固な部分を持ち合わせていたような。
「……さぁ?」
「さぁって。」