王様の、言うとおり
言わないけど。
菜月ちゃん、分かりやすくしとかないと気付かない可能性あるからさ。
煌の鞄がまだあることに気付かないかも。
周りを見る広い視野が帰ってきた菜月ちゃんにありますように、とさりげなく祈っといた。
「うぉー……貸し切り!」
図書室へ入ると昔ながらの独特な香りが鼻に付く。
誰も、いない。
来るわけ無いけど。こんな時間まで。
俺も久しぶりに足を踏み入れた場所。
図書委員が配置を変えたのか、前来た時とはレイアウトが変わっていた。
へー……と新しい配置を眺める俺を放置して、煌はさっさと座って課題をしだす。
あ!