王様の、言うとおり



「それがさー……菜月が行ったあと、私達見てたんだけど皇子に見つかっちゃって。」



『え、』




「大丈夫。絵美ちゃんは皇子に夢中で気付いてなかったから。」



奈留ちゃんは、顔をこちらへ傾けて、小声で話してくれた。

「でね、絵美ちゃんがいざ告白……って時にいきなり皇子が「もうちょっとこっちに行こ。」って歩きだして。

で、私達に付いてくるなって視線投げられて。

怒られたくないしって事で断念したから私達も結局皇子がなんて返事したか分かんないんだよね。」



そうなんだ……。


キング自体、断れば断ったって言うはずだし、本当に……




「でもね、」



ちゃぷん、と水が跳ねて奈留ちゃんは手で遊びながら話を続けようとする。



「絵美ちゃんは……皇子のタイプでは無いと思うんだよね。」




奈留ちゃんの納得いかないのはソコらしい。




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