王様の、言うとおり
静かだから聞こえてくるリビングからの恐怖の叫び。
聞くだけで背中にぞわっとくるBGM。
頭にかけたタオルで耳を覆って、仕方なく閉じられたドアに背を預けて座り込みます。
リビングには行けない、
怖いです。
キング、早く上がってきて。
―――――――――――――――
――――――――――ガチャ、
『何してんの。』
何分経ったか分かりません。
耳をしっかり塞いで、
あのゾンビを思い浮かばないように無心、を貫いていた時。
背中のドアが動いて、
聞こえたキングの声。
顔を上げると、肩にタオルをかけたキング。
「テレビ……。」
見上げて、リビングを指差せば、あぁ、とキングもリビングを見ました。
『どいて。』
立ち上がって避けると、
スタスタ歩いていきます。
私も、後ろに付いていくと、テレビはもうチャンネルが変わっていて。
ソファーに座って頭をタオルで拭きながら見ています。