王様の、言うとおり
下を見れば、当たり前のように広がる地面。
この高さなら死にはしないよね……酷くて骨折かな?
それも嫌だ。
痛いの、やだ。
頭から落ちれば死ぬかな……【女子高生2階から転落死】って明日の朝刊に載るのかな。
キングの家に朝食を作りに行こうとして死ぬなんて絶対嫌だ。
そもそもその記事を見た人は何で落ちたの、って思うはず。
キングはちゃんと落ちた経緯を話してくれる?
「音がして気になって見たら血を流して倒れてました。」
とか言いそう。関係ないふりしそう。
さすがに見て見ぬふり、知らんぷりはしないでしょう。
あり得そうで怖い……!
「下見ないで、ほら早く。」
う……そうだ。
この手を京くんの手だと思おう。
そうすれば何故か勇気が出てくる。
京くんが、こっちにおいで、と。
妄想で恐怖心を忘れながら、勢いでキングの手を掴む。
桟に足をかけると痛いからその少し手前、ギリギリにかける。
「頭も気を付けて。打ちそう。」
気になる所がいっぱいで、怖い。
頭打ちたくない、足痛い、落ちたら骨折……。
『い、くよ……?』
離さないでよ、本当にお願いだから!
グッ、力を入れて足を踏み出す。
私も力を入れたけどキングの方にも力が入ったのを握られた手から感じました。