王様の、言うとおり


仕方なくキングの正面に座り込んで、砂を掴みます。

ザラザラした、砂。




強く握れば手のひらに食い込み痛いです。



それを寄せて山を作っていきます。



……冷静に考えてみれば。パーカーを被って向かい合って山を作っている高校生。



ちょっとおかしいかも。



「──あ……傷、治ったんだ。」



ふとキングの手を見た時に気付いたそれ。

いつの間にか、巻かれていた包帯は無くなっていました。



『今ごろ気付いたの。』


「うん。」




チラッと自分の手首を見つめたキング。

まだかさぶたは取れてなくて、

傷の形が分かり痛そうです。



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