王様の、言うとおり



『それなし。もっとガッツリ行けよ。』

「ちょっ、押さないで!」

――と、




ベチャリ。


「ああーーっ!!!」



横から潰されるように崩れてしまった山。




キングが、私の手を押すから……。

『はい、菜月の負け。』



「っ!違うっ、今のは反則でしょ!」

キングが押したから!




グシャグシャになった砂を握り締めながら抗議すれば、笑いだすキング。




いつも余裕そうなのに、屈託なく笑うから、調子が狂う。




< 574 / 600 >

この作品をシェア

pagetop