王様の、言うとおり
『それなし。もっとガッツリ行けよ。』
「ちょっ、押さないで!」
――と、
ベチャリ。
「ああーーっ!!!」
横から潰されるように崩れてしまった山。
キングが、私の手を押すから……。
『はい、菜月の負け。』
「っ!違うっ、今のは反則でしょ!」
キングが押したから!
グシャグシャになった砂を握り締めながら抗議すれば、笑いだすキング。
いつも余裕そうなのに、屈託なく笑うから、調子が狂う。