王様の、言うとおり
自分たちだけでは大きな山が作れなくて、
完成する前に疲れてしまって。
そうしたら、お父さんが手伝ってくれて。
今思えばこれくらいの山だったのかもしれないけれど、まだ小さかった私にとってはその山がとても大きく感じて感動して、はしゃいで。
楽しかったなぁ。
忘れていた記憶が思い出されて、自然と笑みが浮かびながら、
でも目の前で繰り広げられる静かな闘い。
キング、私、キング、私と交互に繰り返します。
と、
『そろそろ危ないんじゃない?』
ニヤリ、笑ったキング。
山はもう少し触ったら崩れそうな所まできました。最初に刺された枝も傾いて、山もひびが入っています。
……どこを削れば……。
崩壊寸前。
どこを触っても崩れてしまいそうです。
でも、ここは私の繊細さで……。
とりあえず、人差し指だけでちょこっと掘って削ってみます。