王様の、言うとおり
部屋を通り抜けて階段を降りる。
「適当に作って。」
リビングに入ってすぐ。
首だけで振り返り後ろを歩いていた私にそう言えば、キングはソファーにゴロンと横になって寝始めました。
お腹が空いたから早起きしたなら我慢して寝てれば良いのに……。
小さく出てしまった溜息。
キングの寝顔を見て、そのままキッチンへ。
シンクには水滴一つ無くて。
食べ終わったお皿を入れておく入れ物は乾いた状態で立て掛けられていて、
三角コーナーもゴミも入っていなければ水滴もついていない。
使ってないような、まるで新居に引っ越してきて、買ってきたばかりの道具を置いて今から初めて使うような。
キング、ここで生活してるよね?
生活感が全く無い。
何どか無理矢理こうしてここに立たされた事のある私は使い勝手はもう把握できてる。
だけどここまで綺麗にされていたら私が使って汚してしまうのが申し訳なくなってしまいます。
もちろんなるべく元通りに片付けるつもりではいますが。
炊飯器を開けてみると、昨日の残りなのかご飯が残ってました。
一応、ご飯は自分で炊いてたんだ。
振り返るようにしてソファーの方をもう一度見ればキングはもうぐっすりみたいです。
目玉焼きなんだからすぐ出来るのに……。
黒い髪がクリーム色のソファーに映えます。
冷蔵庫には……私の家の半分以下しか中身が詰まってない。
お母さんなんていつも入らなくて困ってるのに。
あ、野菜も、入れとこ。
――こうして私は、まだ6時30分と言うのに、寝起きの朝食作りを始めさせられました。
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『出来たっ……!』