王様の、言うとおり



危なっ。



もしキャッチし損ねてこの人込みの多い中地面に転がったら。







往来の激しい中で這いつくばって探すなんてしたくない。


良かった、キャッチできて。



「菜月の分も買っていいから。」

『あ……うん。』

奢る、って言ったのは本当らしいです。

待たせてしまったからてっきり無かったことになるの覚悟だったのに。

貰ったばかりのお金を落とさないようにグッと握り締めて砂利の足元を転ばないように歩きます。




はしまきの出店の前にはそれなりに行列が出来ていて。



最高尾に並びます。




1、2、3、4……何人並んでいるんだろう。






この人達が何本買うかにもよるけれどお店の人達は急いで作っていて間に合っていない状態。






これはかなり待つことに……。




キングのいる方を見れば、引っきりなしに移動する人達で全然見えません。




―――――ぽんぽん、




鉄板の上で出来上がっていくはしまきを見ていた時。


ふいに誰かに肩を叩かれ振り向きました。

「春日。」



『あ、森田くん……!』




振り向けば、すぐそばに微笑む森田くんがいた。




森田くんは同じクラスで。




大人しい、と言うか大人しくしてるキングとは正反対で明るい人。




進んで委員とかしてくれて……。




少し、私は京くんと似てるなぁって思うんだよね。





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