王様の、言うとおり
「春日も祭り来てたんだ。」
『あ、うん。』
「浴衣じゃないんだ。」
私の服装を見下ろす森田くん。
どこか変な所があるかも、と不安になる。
『浴衣……似合わないから……。』
……自分で言ってて何てネガティブ発言かと思う。
だって私がそう言うときっと……
「そんな事無いと思うけどな。」
困ったような顔でそう言ってくれるから。
でもその優しさにまた落ち込んで……。
『ありがと。』
へらっと笑って森田くんを見上げた。
出店のオレンジのライトに当てられて、森田くんの真っ黒な髪が茶色く見えて。
益々京くんに見える。
「……はしまき買うの?」
並んでいる店にやっと気付いたらしい。
森田君が鉄板の方を見つめます。
早く買って帰らないとキングが待ちくたびれてしまいます。
まさかキングが「遅い。」って現われたりしないよね……?
いやいや、それはないだろうけれど。