こんぺいとう【2】






「あ、まってまってっ」


いつものように、明日な、と成の頭を叩いて目と鼻の先にある自分の家に帰ろうとすると、成は慌てたように俺のセーターを引っ張った。


「しゃがんで」

「は、なんで?」

「いいから、はやく!」


意味が分からない、首をかしげながら20センチ以上下の成の顔に近づくように腰を折った。





「じゃ、明日ね!」


満足そうな笑顔を見せて手を振って、家に入っていった成。

残された俺は何秒かその場から動けなくなるほどの衝撃を受けていた。


「ったく、」


そんなに俺が悔しがっているように見えてしまったのか。

なんにせよ、まさか斗真に感謝する日がこようなんて思ってもみなかった。


こんな可愛いことされて過保護にならないわけがない、なんて自分でも気持ち悪いかなと頭を振った。


明日の朝一番で成のでこにキスしてる俺の図が簡単に想像できて、苦笑いを噛み殺して家路についた。





【おでこにキス】
(くふふ、頼ちゃんビックリしてたな)



end.






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