四十階段物語
第九章.悲しみ




ぽっかり空いた黒い目が、俺を捕らえた気がした。

俺は見据えた。


・・・俺は、逃げない。


ゴータのために。

ビンゴのために。

そして・・・

サクラのために―。




「・・・わ・・・た・・・し、・・・は・・・・・・」




低く、唸るような声がした。




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