四十階段物語



咄嗟に棒を持ち、構えた。

武器があるだけでも、少し安心した。


しかし、未だ肩は震えるし、足もガクガクする。




・・・あることを思い出した。



もしかして、こいつが、ゴータとビンゴを攫った奴か・・・!?




「・・・なぁ。聞きたいことがある」




サクラがいない今、俺が聞くしかなかった。

出た声は、今にも裏返りそうな不安定な声だったと思う。





「お前が、ゴータとビンゴを攫ったのか?」






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